第11章 休暇
より深くなって口内で絡まった舌は吸いつかれ離れることが出来ない。
『ぅ…んん!』
息も出来なく苦しくなってきたその時
ガタン
大きく揺れたゴンドラは終点に差し掛かった。
その振動でハッとした獅朗は唇を離した。
「っ、わりぃつい…」
ハァハァ…
フールは肩で息をし顔を赤らめていた。
「お帰りなさーい!…??」
係員が声をかけドアを開けた。
「…降りるぞ…?」
『…うん。』
閉園時間が近づき人も疎らになりあれから無言の二人は出口に向かって歩いていた…。
先に口を開いたのは獅朗。
「あっ…いきなり悪かった。せっかく楽しかったのに嫌な思いさせた…よな?すまねぇ……」
『えっ?!大丈夫だから!そんなに気にしないで…ちょっとびっくりしただけだから』
「そうか…休暇も終わりだろ?これから任務とか一緒になるかもしれねーし。そんときはよろしくな?」
出口を抜け
「フールはメフィストの所にいるんだろ?帰り送ってくか?」
『大丈夫!ここからは近いし。』
「そっか…じゃっ」
片手をあげ歩きだす。
『あっ!今日はありがとね』
背中越しに大きく手を降り帰っていった。
フールは特大メフィ犬を抱きしめ、小さくなっていくその背中を見つめていた。