第8章 開幕
「!?ダメだ…!」
竜騎士が銃を抜いて発砲した。
うぅぅぅあ"あ"あ"あ"ぁ
手当てに当たろうとした祓魔師に襲いかかい、腕に噛みついた。
「くそっ!」
パンッ!パパンッ!パンッ!
その男は銃弾を浴びて力尽きた。
「っ………」
『噛まれた箇所を見せて!?急いで処置を!』
フールは駆け寄り、素早く応急処置を済ませた。
「ありがとうございます…」
『よし!』
倒れた男に目を向けた。
『……屍人…、広場からここに来るまでの間に……?
とりあえずは目の前の悪魔を退治するしかないですね。教会に向かいながら殲滅を図ります!』
「「はい!」」
教会のある広場に向かい走り出した。
人が全くいない。
走り続けていると目の前に人が現れた。
よく見ると昨日怪我をした女性だった。
『ここは危険です。家に………!?』
声をかけ近づこうとしたが異変に気づく。
屍人………
フールに気づいた女性は唸りながら襲いかかってきた。
『この娘も?!もぅ…ダメ……みたいね。』
腿のショルダーに入っていた銃を取りだした。
『ごめんなさい…』
そう一言かけ脳幹を撃ち抜いた。
変わり果てた女性の横に屈んでそっと手を添えた。
『何で…この娘まで……………?』
ふと空を見上げれば雲ひとつ無かった空が黒く埋め尽くされた。
大量の魍魎が集結し始めた。
このままでは魍魎王が現れてしまう。
「フールさん…ヤバイですよ。囲まれました。」
辺りを見回すとすでにかなりの数の屍、屍人に囲まれてしまっていた。