第6章 序幕
その時、トントンと扉を叩く音がした。
メフィストはポンッ☆犬の姿に変身した。
私が、はいと答えるとすぐに扉は開いた。
「フールさん。任務の報告に参りました。犬…?…あっ……誰かいらっしゃいましたか??」
テーブルの上に2つ置いてあるティーカップに気付いた彼は少し戸惑っていた。
『ご苦労様。いいえ。大丈夫です。で、どうだった??』
「はい。やはり、数ヵ月前からある事件と似ていましたね。今回は悪魔は祓ったんですが取り憑かれた人ももう遅かったみたいで…助けることができませんでした…」
『そう…、さっきもまた似たような依頼があって出発したばかりなのよね………。わかったありがとう。ゆっくり休んでください。』
そう告げると祓魔師は一礼をして部屋をあとにした。
メフィストはその様子を犬の姿で伺っていた。
「おやおや。何が気になることがあるようですね。」
『この辺でなにか変わった噂とか聞かない??』
「おや?なんのことですか?私としては気にるような噂は聞かないですね。」
『なんか似たような事件が続いてて気になるんだよね。』
「そんなに気になりますか?では、その件で何か耳にはいればご報告いたします。」
『ありがとう。』
「いえ。美しい主のためなら☆」
『ねぇ………メフィスト……』
フールは急に真剣な顔になりメフィストをじっと見つめた。
「はい…?なんでしょう?////」
あまりにもじーっと見つめられてメフィストは少し照れている。
『…か………可愛いぃ……』
『メフィ犬久々に見たぁ!もう少しこのままで私の側にいてよー』
メフィ犬をギュウーッと抱きしめた。
「くっ苦しいです!」
と言いながら嬉しそうなメフィ犬。
フールはメフィ犬を抱きしめなが考えていた…
気になることは憑依した悪魔を倒すと、人間も一緒に死んでしまうか。
弱いけど………
まるで屍人みたい……
こんなにも頻発するなんて。
メフィストは考えるフールを見上げるのであった。