第18章 子どもたち
優しい声で包み込んでくれるような安心感…
離れていたせいでその温もりを忘れていた。
あの女がいなくなったと思ったら…
その子どもが獅郎を私から奪った…
アタシのことなんかもう誰も気にしちゃいないと思ってたんだ…
なんで忘れてたんだろう…
あの時出会ったのは獅郎だけじゃなかった…
フールはいつでも気にかけていてくれたんだ…
アタシも………
アタシも、精一杯生きたい!…
急に抱き締めてたのでもっと反発されるかと思ったが、シュラので気持ちは落ち着いたみたいだ…
そっと体を離して顔を覗き込めば心なしか顔つきも変わったようだ。
フールは嬉しくなり少しおどけた様子で話し始めた。
『ただ生きて行くため好きなことをするためにも、お仕事は必要でしょ?やっぱりシュラは祓魔師になるのが一番だと思う?認定試験受けちゃおうよ。ねっ?』
「………」
『シュラ…?』
「………うん…やる…」
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
その後認定試験を受けたシュラはすんなりと合格した。
その才能を見込まれてすぐにヴァチカン本部に配属になった…。
もう心配はないが、シュラとはその後もヴァチカンに行く機会があれば会いに行き雑談で盛り上がるのだった。