第16章 捜索
-----15年前-----
『あぁー気持ちいい~』
冬だけど日向はポカポカして暖かい。外は寒いから短い時間に出来るここの日向は最高♪と、廊下にある出窓の枠に寝転ぶ猫の姿のフール。
今日はメフィストは珍しくヨハンとして学園のお仕事をしっかりとこなしているらしい。
学園のお仕事は私の管轄外ってことにして、今日はのんびりと時間を使うと決めたのだ!
うん。うん。進んでちゃんとやるヨハンさんえらい!
…なんて珍しすぎて逆に怖いね。
何か起きなければいいけど…
そんなことを考えながら日溜まりでウトウトしつつ日向ぼっこをしている。
誰か歩いてきた。
廊下だからそりゃー通りますよね?
この気持ちいい時間を邪魔しないで欲しいなぁ。
尻尾をゆらゆらと揺らしながら目をつぶって知らないフリ。
「あっフールじゃねーか?」
この声は…?
最近あまり姿を見なかった獅郎だった。
『ん??ふぁぁぁぁ獅郎久しぶり。元気だった?』
「あ、起こしたか。わりぃな?」
『んー大丈夫。獅郎なら。本当、久しぶり。珍しいねここに来るなんて…』
「そうだな。ちょっと忙しくて。今日はメフィストに用があったんだがいないみたいだし帰ろうかと…」
『ふぁぁーホント忙しそうだね…何か問題でもあった??』
あくびをしながらゴロンとお腹を見せるように横に体勢を変えた。
「あーちょっと単独で任務がな…」
何やら困った感じの獅郎。
ん、そんな顔…珍しいね。
さらには単独とは…
これまた珍しい…
『単独??』
これは、なにかあるよね?じっと獅郎を見つめる。
うん、話そうか考えてるねぇ…。
そんな間に耐えられなくなったのか獅郎はやっと口を開いた。
「………あーそういえば…仲が良かったっけか?…何か知ってたりするか??」