第3章 契約
うつ向きながら考え事をしていると、そっとメフィストの手が私の頬に添えられ顔を上げられた。
「言い忘れましたが、悪魔との契約。それは、主人の心乱れ弱さを感じた時、主人を襲うことがあるのはご存じてすよね?契約が破綻するようなら私は貴女の命をいただきます。よろしいですね。」
その顔は今まで話していたときとは違う恐怖を感じさせる悪魔の眼差し。
普通ならその恐ろしさに身を強ばらせるであろう。
私は無言のままメフィストをじっと見つめていた。
「…美しき私の主……これからはいつでもお呼びください☆」
しかし私は恐怖よりメフィストのその綺麗なグリーンの瞳に吸い込まれるように目を離すことが出来なかった。
そっと、メフィストは私の唇に触れるだけのキスをした。
「でわ……また…☆」
ポン☆
メフィストは消えていった。
メフィストが帰ったあと私は暫く呆然と立ち尽くすのであった。