第2章 本丸、潜入!!
視界がぼやけてくる。
すると、頬に涙が一粒。
私の涙じゃない。
だんだん意識が薄れていって、ああ、死ぬのか。早かったなぁ…なんて思っとき、首の締め付けが無くなった。
「ゲホッゲホゲホ…ハァ、ハァ…ッ」
深呼吸してから彼を見ると、畳に座り込んで涙をポタポタと流していた。
「あ、あの…」
声をかけると、酷く怯えた目で私を見る。
「ど、うせ…刀解処分にするんでしょ…」
刀解処分…
ブラック本丸の審神者が、よくやるやつ。
「刀解処分なんてしないよ。大丈夫だから」
手を差し出せば、彼はその手を払い除ける