第4章 Lovely Sweet Angel
ゆっくり車を発進させた。
目的地はそこから僅か10分のホテル。
せっかくさ、女の子になったんだから、デートっぽいことしたいな...って思って予約したんだ。
前もってマネにチェックインをお願いしておいたから、俺たちはそのまま部屋に向かった。
ホントはお洒落なバーにでもエスコートしたいところだけどさ。智くんは『さとこちゃん』でも俺は『櫻井翔』のまんまだし。
『櫻井翔、深夜に密会していた美女は?』
なんて、ないことばっかり週刊誌に書かれてもつまんないじゃん?
だから、部屋に直行することにした。
エレベーターは俺たちだけ。
そっと手を握ると、さとこは少し恥ずかしそうに俺を見上げた。
......なんだ、これ?
この生き物は、何だ??
女装した途端に、こんなに可愛くなるものなのか?
まあね。
いつも可愛いよ?でもさ...
仕草とか可愛さが、もう女子///
期待で鼻息が荒くなるのを、グッと理性で押さえて、俺はエレベーターの階数を示す数字を無言で見上げた。
......ヤバい///
スマートにカッコよく行こうと決めてたのに。
部屋に入ったらもう、押し倒してしまいそうだよ///
俺は、ぎこちない足取りで俺の後を付いてくる、超絶可愛い智の手を引いて、そのまま部屋のドアを開けた。
「わあ~...夜景が、凄ぉ〜い♪」
俺から離れて窓に駆け寄る智。
......女子かっ///
「翔ちゃん!!来て!ほら東京タワー!」
はしゃぎ過ぎだろう...全く...
「お―――!!すげ~///マジ、やべぇ~!」
↑櫻井、お前もな...