第4章 Lovely Sweet Angel
すれ違う人が俺を見てる気がする。
気付かれちゃってるのかなぁ?
それもと、オカマだと思って見てるのかも...
....あ、今のおばさんも、
俺をじろじろ見てた。
しかも、頭の先から足の先まで、
舐めるように見てる。
あーーー///
もう帰りたいよ( ;∀;)
メトロの駅の入り口裏に立つ。
こんなとこで、待ってるのも恥ずかしい...
俺は、俯いて、金髪を垂らして、出来るだけ世間から自分の姿を消そうとしていた。
すると。
「ねえ~」
誰かが声を掛けて来た。
反射的に声のする方を見ると、二人組の若い男の子が俺の前に立っていた。
まあ、大学生的な、どちらかと言えば好青年な二人。
二人は俺の顔を見るとパッと笑って、
「ほら~、やっぱ可愛いじゃん!」
「ホントだ~...モデルさんとかですか~」
俺は慌てて目を伏せて、首を何度も振った。
「あ、ごめんなさい...ナンパとかじゃなくて。
芸能人の人かと思ったらから...握手してもらおうと思って...えっと、どっかで見たこと...?」
ヤバいヤバい///
どうしようどうしよう///
その時。
横から手が出てきて、俺の手首をガッチリ掴んで引っ張った。
翔くんだ!!
帽子目深に被って、大きなマスクしてるけど。
間違いない...
翔ちゃんは、俺の手を引いて走ってその場から逃げた。
男の子たちは『ちぇっ..』とかいいつつ、追いかけても来なかったけど。
車までの数十メートル...
俺は、王子様に助けられたお姫様気分だった。
...にしても。
走りにくいよ、この靴!!
「ちょっ、翔くん、転びそう...」
すると彼は止まって、俺を振り返った。