第4章 Lovely Sweet Angel
取り敢えず今は、短パンなんかないし、
いつまでも着替えルームに籠ってるわけにもいかないし。
メイクさんも、待ってるから。
仕方なく、白いワンピースに薄紫のカーディガンを羽織って、外に出た。
「わぁ〜♪大野さん、やっぱ可愛いです!
張り切ってメイクしちゃいますね♪」
「た、頼むね〜...」
膝が...股がスースーする。
風邪引くってばさ。
鏡の中の俺は、どんどん女の子に変わっていく。大野智から、『さと子』に変身してく。
..............
我ながら。
自分で言うのも何だけど。
可愛い❤
唇、ぽってりして、ピンクで。
これなら絶対、翔ちゃんが吸い付いてくる。
....翔ちゃんとのちゅーを想像して、
ちょっとドキドキしちゃう(〃ω〃)
金髪のウィッグを着けて貰い、
『さと子』が完成した。
「はぁい♪出来ましたぁ!
お友達、きっと喜びますよ〜(^^)」
「えっ?お友達..?」
「ほら、結婚式の...」
「あ―――っ!!結婚式のね?
そうそう、そうなんだよ〜!
全く、こんな格好したんだからね〜...」
危ないとこだった(>_<)
俺これから、結婚式の二次会なんだった!
うっかりすっかり忘れてたよ!
慣れないハイヒールを履いて、
変な歩き方になるけど。
準備万端整った俺は、メイクさんによくよくお礼をして、翔ちゃんに連絡した。
翔ちゃんは待ち合わせに、
テレビ局の近くの駅を指定してきた。
.....マジかよ...
人がたくさんいるのに。
股もスースーするのに。
俺は、仕方なく駅に向かって、歩き出した。