第4章 Lovely Sweet Angel
【 翔side 】
まさか、『さとこ』のクオリティーがここまでとは...迂闊だった。
こんな智を、その他大勢だらけの現場に、
野放しにしていたとは...
こんな可愛すぎる智がフラフラしてたんだもんな~!
所謂そっち系のスタッフ、何人も引き寄せちゃったに違いない...危なっかしすぎる///
仕事帰りに、待ち伏せされたり、
急に楽屋に踏み込まれて、襲われたり、
上に掛け合って、智絡みの現場に変えてもらってたり、
...そんな奴がいるんじゃないか??
↑被害妄想も、もはや病的ですけど...
ちくしょう///俺としたことが///
早く手を回せばよかった!!
「あの~...翔ちゃん...」
「何だよ!?」
「....何でもありません..」
......あ...
智がすっかり怯えている。
そうだよ、智は悪くない...
与えられた仕事をしただけだ。
悪いのは...
あんなに美人に仕上げたメイクさん...
いや、
あんな設定考えた制作会社...
待てよ、
製薬会社か??
分かった!!
花粉症がいけないんだ...薬が売れてしまうから。
...最早、病気(本日2回目)
固まる智に手を伸ばし、
「智...おいで❤」
と。俺は出来るだけ優しく声を掛けた。
「翔ちゃん❤」
智は嬉しそうに俺の胸に抱き付いてきた。
猫みたいにすり寄って甘えてくる智の髪を、何度も撫でながら、俺はまだ、ふつふつと湧き上がる怒りを、抑えきれないでいた。
...俺の智を...
仕事とはいえ、あんなにキュートでラブリーな智を、
人前で晒してしまった。
悔やんでも悔やみきれない///
俺は、極力優しい口調で彼に言った。