第9章 大好きのカタチ
決まりなんて、なにもない…
始めは悩んだりもした。
行きつく先が分からないし、
見えないし…
この先に何があるんだろう?
そう思って、
『三人』という歪な関係に疑問を抱きつつ…
それでも一緒にいたくて。
答えが見つからないまま、
その不安を見ない振りして、
求め、求められるままに、
肌を重ねてきた。
『…かず…愛してるよ…』
『愛してる…かず……』
三人で睦み合う時間は、
いつしか俺の中で、何よりも大切なものになっていった。
『櫻井翔を愛した者同士…』
何度も繰り返してきた自問自答。
『傷を舐め合うってるだけなんじゃないのか?』
答えは見つかった。
俺たちは、多分、ここに辿り着くために歩いてきた。
その途中で、同じ人を愛したとしたら、
それも、ここへ来るための大切なプロセス。
俺と、
潤と、
雅紀と。
三人だって構わない。
それぞれが、それぞれを必要としている。
その気持ちの重さに、
嘘はないから。
「潤くん、大好き♥️」
「かず、俺も大好き♥️」
「ちょっとぉ〜!俺は?俺は?」
「「…愛してるよ…♥️」」
両側から、雅紀の身体を抱き締めた。
雅紀は、くすぐったそうに…
笑いながら嬉しそうに、身を捩った。