第9章 大好きのカタチ
これからはさ。
ちゃんと伝えていこうって、そう思う。
当たり前の関係だから、
言葉なんか要らない…
分かり合っているから。
そう思っていたけど…
そうじゃない、
それじゃダメだ、って分かった。
失いたくないからこそ、
ちゃんと気持ちを伝えていこう…
それが、
俺たちの『大好きのカタチ』
シャワーをしてきた雅紀が、
緑のリングとピンクのローターをタオルから出して箱にしまっている。
「それ。また使うんだ〜♪」
「えっ?あ、いや、使わないけどさ…まあ、一応ね(^^;」
「へぇ〜、使わないんだ」
キッチンから、クリアボトルを片手に潤くんが出てきた。
「お水?」
「うん、飲む?」
「一口ちょうだい♪」
「いいよ…」
熱い唇が重なり、その隙間から常温よりもやや温かい液体が流れ込んできた。
そんな俺たちを、雅紀が目を細めてみている。
「雅紀、あのリング、もう使わないんだ!」
「えっ?」
話を戻した潤くんはニヤニヤしながら雅紀を見てる。
「じゃあ、もういらないね〜」
「あ、でも、折角オーダーで作ったしさ…要らなくても、捨てらんないよね…」
「ホントに使わないの?」
「……うん…」
「ホントのホント?」
俺がグイグイ攻めると、雅紀はあっという間に白旗を上げる。
「……いや、いらないけど…たまに、なら…」
最後は、赤くなって消えそうな声で俯いた。
「んふふふ♥️雅紀、可愛い」
「もおー、揶揄かわないでよ!」
「可愛くって、大好き♥️」
「俺も!雅紀もかずも、大大、大好き♥️」
抱き合って、縺れ合い……
笑い合う……
そうだよ。
これが俺たちの『愛のカタチ』
【end】