第9章 大好きのカタチ
………納得せざるを得ないでしょ?
反論できないよ…
雅紀の話したことには、
何の間違いも無い…
雅紀の包み隠すことのない本音なんだ
『櫻井翔をリスペクトしている』という事実。
そういう事なら…
もう、責めるなんてできないな。
だったら…
俺がすべきことはたった一つ。
「雅紀……ごめんなさい…」
「ニノ…」
「事情を知らなかったとはいえ、お前を裏切った」
「俺が誘った。悪いのは俺だよ」
それまで黙っていた潤が入ってきた。
「でも、断ることだってできた…それなのに…」
「雅紀…責めるられるべきは、俺だよ」
「潤くんは、悪くないよ、俺が…」
「ねええぇっ!!また二人で俺を仲間外れにする気~??」
「「そんなこと…」」
雅紀は仁王立ちして頬を膨らませた。
こんな時だけど……可愛い♡
「許して…くれるの?」
雅紀にそう問いかけると、雅紀は、
「許す!!っていうかね。俺、思ったんだけど…
ここに来るまでは、もし二人でヤッってたら、ふたりのこと引っぺがしてやろうって、そう思ってた…
だけど…ここに来て、来たらさ…寝室に踏み込むのが、怖くなって…
俺って、案外意気地なしなんだよ~…
ああ、案外じゃないか…」
そう言って自嘲的に笑った雅紀……
胸が、詰まった。
「で、待ってる間に考えたんだけど…
俺たちって、翔ちゃんたちみたいに結婚してる訳でもないし、はっきりしたものなんて、何も無いんだな~…って…
そう思ったんだ」
確かに。
翔ちゃんと大野さんは、
双方の親も認めてくれてる仲で…
婚姻届こそ出してないってだけで、
最早事実上夫婦だ。
なんならファンも
『山夫婦』何て言ってるくらいで…
でも俺たちは……
恋人関係の域を出てない…
3人っていう、世間的には歪な形だし。
男同士ってだけでも、異端なのに…だ。
俺たちさえ良ければ、それでいい…
その気持ちに嘘はないし、
今も変わらないけど……