第9章 大好きのカタチ
【ニノside】
雅紀の告白を聞いて、
色んなことが見えてきた。
撮影でも、収録でも、
翔ちゃんにデレッデレの顔してくっ付く大野さん。
あれは全くの自覚なしだから、
翔ちゃんも困るのは頷ける。
そして、『気を付けろ』と言われても、
無自覚なんだから、
何をどう気を付けたらいいのか??
っていう大野さんも仕方ない。
今回の事は、雅紀にはほぼ非はない…
……そう。ほぼ…だ。
だってさ。
さっきのいい訳を聞いたとしても、
あの会報は、おかしいだろ?
櫻井翔のどこが好きか?
↑好きかと言ってなかったけど…
『程よい筋肉と…全て♡』
全て…?全てって何??
「じゃあ、これだけ弁解してよ!
翔ちゃんにだけ『全て♡』って書いた訳は?」
さあ!!
俺が納得するような言い訳して見せてくれ、雅紀!!
「それは…」
「それは??」
↑食い気味に松潤
「…それは??」
↑平静を装って上擦り気味の俺
「…俺、翔ちゃんのこと、やっぱり尊敬してるから。
zeroでカッコ良く事件について語ったり、
大物政治家とか世界の要人と対峙しても負けてないところとか…
普通の顔して、緊張もしないで紅白の司会もこなしちゃうところとか…
絶対に俺には真似できないものをいっぱい持ってる人で。それなのに、人一倍努力することを惜しまないし」
雅紀が言葉を選んで話す『櫻井翔』
悔しいけど、それについて、何の意義も無い…
俺だって思ってるよ。
雅紀のリスペクトは、俺のものでもあるんだ。
嵐の5人、それぞれが、ピカイチの才能を持っている。
それは、驕りじゃなくて。
だけど、みんな、その何倍も努力している…
その筆頭があの人だ。
俺もそれは認めるよ…敵わないって思ってるから。
「だから、その気持ちが、『全て』になった。
まあ、ハート♡はノリで付けちゃったけどね…」