第9章 大好きのカタチ
「…おお〜、お疲れ〜」
個室に案内されて入っていくと、
大野さんの前には、ビールの中ジョッキか半分くらいなくないた。
「ごめんね〜…先に始めちゃった
ふにゃんと笑う彼の笑顔を見ながら、
おしぼりをくれた店員さんに
「俺も同じのを…」
と注文した。
ひんやり冷たいおしぼりで
顔を拭いていると、
大野さんはそんな俺をじっと見ていた。
んんっ??
という顔をすると、
「最近どう?」
って………
何、それ??
何だか大野さんらしくなくて…
俺は笑いながら、
「どう〜って、そうだなぁ…ああ、仕事のこと?」
それに対して大野さんは、
ニッコリ笑って何も答えない…
ん~…(´・ω・)
何だろ??マジで…
俺から聞いていいもんかどうか、
唐揚げを頬張りながら考えていると、
「俺さ~、漏れちゃうんだよね~…」
って。
「ぐう゛っ///(゜゜)??」
危うく唐揚げを詰まらせそうになった俺…
「あ、ごめんごめん…はい、これ…」
急いで大野さんが手渡したビールを煽り、
喉の中間で止まっていた鶏肉を流し込んだ。
「漏れる…って?」
「うん…そう」
「…何が…?」
恐る恐る聞いてみると、
「翔ちゃんを好きな気持ちが(´-`*)」
……好きな気持ちが…?
よかった~(;^ω^)
俺は漏れるっていうから、てっきりご年配の方の悩みの、アレ…かと思っちゃったよ…
………何だよ…惚気かよ"(-""-)"
呆れて枝豆に手を伸ばした俺に、
大野さんは真剣な顔で、
「もう俺、どうしたらいいか分かんなくなっちゃってさぁ…」
と、肩を落とした。
どうやら真剣に悩んでるらしくて…
「漏れ出しちゃうって、結構リーダー、前から翔ちゃんにはデレデレしてたけど~?」
「まあ、そうなんだけど…最近は、特になんだって!」
「翔ちゃんが言ってんの~?」
「うん」
「この前も、注意されたんだ…」
そう言って彼が話すには……