第9章 大好きのカタチ
ニノと大野さんは感覚の人だから…
所謂『天才肌』
努力してない訳じゃないけど、
そこまではしないし、
しない方が新鮮な反応が出来る…
そう思っているところがあって…
まあ実際それはホントにそうなんだけど。
それはそれで、俺にはマネできない
素晴らしいものがある。
それは認めるし凄いな、と思ってるよ~?
だけど。
俺は天才なんて程遠いタイプの人間だから。
翔ちゃんの真似をしても
その脚元にも及ばないのは知ってるけど。
でも彼の背中を見ていたいんだ…
仲間として
友人として
そして、尊敬する先輩として。
そこに、ニノがヤキモチ妬いてくれるようなことも
そんな感情は微塵もない…
「俺が気になってるのは他にも有って…」
松潤が入ってきた。
「気になる?」
「そう。ニノも同じこと思ったと思うんだけど」
そう断わってから、
ニノの顔をちらりと見て、松潤は続けた。
「最近さ~、自然に歩いていってください…
とか、下を覗き込んでください…
みたいな注文が付く撮影でさ…」
「ああ、ドームの前とかで撮るやつ?」
「そ。そういう時、絶対といっていいくらいに
翔くんと並ぶよね?」
「あ……」
「心当たりあるね?」
俺は黙って頷いた。
だってそれは意図的にしていることだから…
「逆に不自然すぎるくらいに雅紀と翔くん
距離感が他と違う感じするよ?」
「それは……」
話していいかな?
どうしようか、と考えてると、
「言い訳してみろよ!俺たちが納得するようなやつ///
『何となく翔ちゃんと一緒にいたいから』なんて言ったら、ぶっ飛ばす!!」
ぶっ飛ば…ニノ~(:_;)
「実はさ…話は半年前にさかのぼるんだけど…」
覚悟を決めた俺は、
ニノが聞きたがっていることを話し始めた。