第9章 大好きのカタチ
【ニノside】
潤くんに愛してもらった俺は、
一回シャワーをしようとベッドルームを出た。
そしたら、リビングから漏れ聞こえてきたのは、
TVの音…
雅紀…来てたの??
俺たちは顔を見合わせて、潤くんがリビングのドアを開け、その後から俺も部屋の中を覗いた。
「あ…」
「何だよ、帰って来てたのかよ?」
潤に言われ、雅紀は笑いながら
「勝手にビール貰ったよ~」
って……
俺にそう言って『クリアアサヒ』を少し上げて見せた。
………何だよ///お前…
何でそんなとこでへらへら笑ってんだよ??
しかも、クリアアサヒだし…
どうしてそこで『麦とホップ』飲まないんだよ?
↑そこ重要~?
この状況で笑って見せる雅紀に、
俺は全身の血が逆流していくのが分かった。
雅紀は俺が睨みつけているのが分かると、
さっと目を反らせた。
「…LINE…見た?」
潤くんの短い…でも核心をつく問いに、雅紀は黙ったまま俯いている。
「なあ、なんか、言う事ないの?俺とニノに…」
「……」
「まさか、聞くこと、何もないの?」
「……」
「ふざけんなよっ//////」
俺は堪らず、雅紀に飛びかかった。
「なんで黙ってるんだよ?なんか言えよ!!
俺たちに言いたいことあんだろ~?」
ソファーで、辛うじて身体を支えた雅紀の上に馬乗りになった俺は、その襟首を掴んだ。
腹が立って仕方なかった。
責められるかな?
哀しむかな?
俺が抱えていた恨み言を吐いたら、
雅紀に……
ってそう思っていた。
自分がしたことを、雅紀に正直に謝って、
そんで、雅紀にたっぷりとサービスしちゃおう…
…………
バカじゃん、俺…
雅紀は何とも思ってなかったんだ
俺が、潤と二人っきりの時にエッチしちゃっても、
雅紀にとってはどうでもいい事だったんだ…
こいつは……
俺が思ってるよりも、
俺のことなんか……
好きじゃない…んだ…