第9章 大好きのカタチ
【雅紀side】
「相葉くん、今日バッチリたったね〜」
「ホントに?」
「うん、調子よかったよ〜♪
だって70点越えが、ふたつだよ〜」
「昔じゃ、考えられないよね…」
渡部さんと澤部に褒められ、
満更でもない俺は、気を良くしてロケバスに戻ってきた。
「どう〜?この後…銀座にいい店があるのよ〜」
「いいっすね!相葉くんは…」
「ああああああああああっ(;゜0゜)」
「なになに!?」
「どうしたの〜?」
俺の声に驚いた二人が、
心配そうに見ているけど、
それに答える余裕がない……
何で??
いったいどういうことなの?
なりふり構わずスマホで松潤の番号にかけたけど、聞こえてきたのは、
『電波が届かない場所にいるか、電源が…』
「ああああああっ( ̄□ ̄;)!!
早く帰らなきゃ!」
「相葉くん、どうしたの?」
「えっ?ああ、いえ、何でもありません…」
「何でもないことないだろう?そんなに慌てて」
渡部さんと澤部に、
何か答えなきゃって思うけど、
そんな心のゆとりが………
マネに掛け合ったけど、自宅までは
どんなに急いでも一時間くらいはかかりそう!
………えっと、今日はあいつらは……
ニノん家だ!!
一時間………そんなにかかったら、
終わっちゃうよ!
冗談か?
どっきりか何かか??
そうであってくれよ〜…、頼むから。
俺は、渡部さんたちへの挨拶もそこそこに、
急いで車の後部座席に乗り込むなり、
「急いで帰りたいんだ!ニノん家ね!」
「急用ですか〜?」
「そう!最上級の急用だよ」
「二宮さん、何かあったんですか?」
「いいから!早く!!」
イラつく俺に、マネージャーはそれ以上は何も聞いてこなかった。
嘘だろ
嘘だろ
嘘だろ
嘘だよな!?
頼むよ、悪い冗談だって、
そう笑ってくれよな!