第9章 大好きのカタチ
「潤……」
「驚いた?」
驚いたって…当たり前じゃん!
だって俺たちの約束事の一番手だよ?それ…
『3人でいる時以外は、二人でセックスしない』
今雅紀はロケ中のはずで、
10分で返事が来るかどうかは…
もし来なかったら……
「…1分経過…」
「潤くん…約束してるのに、それって…」
「ニノ…その約束って法律で定められてるの?
破ったら警察に逮捕される?」
「や…それは…そんなことない、けど…」
潤くんは、俺の側にぴったりくっ付いて、
肩に腕を回して来た。
「3分経過」
「潤くん!!」
「ニノ…人の気持ちは変わる…時間が経てば、
確かだって思ってたものが、
そうじゃなくなることがある…
愛し合って、永遠の愛を誓いあって結婚したカップルが、いったいどれくらい離婚してる?」
離婚って…!そんなこと…
「俺たちは結婚してる訳じゃない…
でも、誓い合った愛は、
誰にも負けない…だろ~?」
「うん…」
スマホは鳴らない…
潤くんは肩を抱いた手を、俺の頬に滑らせた。
「5分経過……ニノ、俺のこと好き?」
「……好きだよ」
「愛してる?」
黙ってすぐ側にある彼の顔を見つめる…
「俺は愛してるよ~…好きで好きで、
今すぐに愛し合いたい…」
「潤……」
「7分経過…」
潤くんの唇が、そっと触れるか触れないかの優しさで、俺の唇に重なる…
直ぐに離れてしまったそれを、
追いかけたい気持ちを、ぐっと我慢した…
「我慢できない…ニノが欲しい…今すぐ欲しいんだ
例え、逮捕されてもね~…9分経過…」
潤くんのキラキラした瞳がすぐ側で俺を射抜く。
鼓動が早くなって、身体がどんどん熱を持つ…
「……潤くん…俺…」
「ニノの気持ち…俺と同じ、でしょ?」
「……」
雅紀……
今、何してる?
LINE見たら、どう思うかな?
「10分経過…」
潤くんは、電源を落としたスマホをテーブルの上に置いて、俺の身体を抱き上げた。