第8章 Imaging Crazy〜ずっと君を想うから〜
「…智」
「………ごめん、なさい…」
不本意だけど、こんなのやっぱりヤダから、
俺は素直に謝った。
……なのにさ。
「なんで謝るの?何に謝った??」
「えっ…何に、って…」
「理由も無く、あんなに怒るなんてことないだろ?
智なりに、納得できないことがあったから。
だから、あんなにしつこく、いつまでも機嫌悪かったんでしょ~?」
……しつこく…いつまでも…(:_;)
何気に悪意を感じるけど…
「智…」
「…はい」
「言いたいことがあったらさ、
言えばいいと思うよ、俺は…
それが、どんなにつまらないヤキモチとかだったとしてもね?」
つまらないって決め付けてるし…
↑否定できない自分が悔しい…
「……ほら、言ってみな?」
翔ちゃんは、そう言いながら俺の背中に手を添えて、
ベッドに座り、俺を隣に座らせた。
………覗き込む彼の視線を受けとめたら、
優しく…目を細めて微笑んでいて……
言わないでいようって決めてたけど…
結局はこんなことになった。
全く…俺って、ホントに、全くさ~…
↑この期に及んで、結論は言わない
「……夜会、観てたの?」
なかなか切り出さない俺に、
痺れを切らしたのか、翔ちゃんの方から切り出した。
「うん…観てた…」
「……で?」
「………」
「姫は、何がお気に召さなかったの?」
翔ちゃんが、俺の両頬を手を挟み、
自分の方を向かせた。
…………そんなに見つめたら、
そんな大きな目で見つめられたら…
石になる…(*´з`)
「上田が、何か変な事言ったか?」
「……まあ、それもあるけど…」
こんなに彼の方から歩み寄ってきてくれてるのに、
俺はまだ言い出せなくて…
すると、翔ちゃんは、
俺の頬を挟んだ両手をぎゅうッと近づけた。
当然、
俺の顔は、真ん中に集められ、
唇はタコの風船みたいになった。