第7章 MJの憂鬱
【 翔side 】
感動なんて陳腐な言葉じゃ語れない…
世界の中で、
俺たちたった二人だけなんじゃないか、って。
そんな錯覚に陥ってしまうくらい、
この世のものとは思えない時間と空間の中で、
俺たちは唇を重ねるだけのキスを交わした。
このまま、溶け合ってしまうんじゃないかって、
そんな不思議な感覚を覚えた。
回した両腕に力を込めたその時、
「あ~、いたいた!!」
「わああ、すげ~!!夕焼け」
「超綺麗じゃん!!」
………(。-`ω-)
……(´・ω・`)
俺たちは、近づいてくる3人を無視して、キスしていた。
折角のムードをぶち壊してくれた3人への
無言の抗議……のつもりだった。
なのに。
……突っ込んでこない…
すぐ側に、気配はあるのに…
恐る恐るそっちの方を見ると、3人でじっと俺たちの事を見つめていた。
「な!なに見てるんだよ!!」
「え~、舌も入れてないみたいだし、何か柄にもなく、プラトニックなちゅう、してるな~と思って♪」
………チーン"(-""-)"
「帰るか?」
「…うん…」
智も同じ気持ちみたい。
「なんで、ここにきたの?」
智の素朴すぎる疑問に、
「急にいなくなっちゃったからさ~、
どっかでこっそりイケナイこと、してるんじゃないかと思って、探しに来たの!」
相葉くんは弾む声でそう答えて、
「やっぱ、やってたね~」
と松潤に同意を求めた。
「よかったら、続けていいよ?俺たちは帰るから」
そんなこと言われても、もう盛り上がれないよ~
「帰ろ、みんなで…」
邪魔されたことを、抗議する気もしないから、
俺は智の肩を抱いて歩き出した。
3人も、それに着いて来た。
オレンジは、もういつの間にか小さな『赤』に変わっていた。