第7章 MJの憂鬱
【 潤side 】
テントやタープ、それにバーベキューコンロなど。
全てのものが既にセッティング済で。
キャンプだって気負って来たのが、
肩透かしされた気分…
そのくらいに、何もかも、
至れり尽くせり準備万端整っていた。
「今夜はバーベキューなの?」
興味津々であちこち見ている相葉くん。
「大丈夫?」
「うん…なんとかね…」
ニノはそう笑ったけど、少しだけ顔色が悪い。
「ねえ~、少しだけテントで休んでもいいかな~?」
俺はニノの肩を抱いてそう言った。
「勿論!俺は智と釣りに行ってくるよ、約束だったからね…」
「え~!じゃあ、俺も釣りに混じってもいい?」
「当たり前じゃん!食えないほど釣ろうぜ~!」
相葉くんは翔くんたちに混ざって釣りに行くらしい。
「松潤、ニノの事お願いね♪」
「おう…」
相葉くんの笑顔に、俺も笑って応えた。
「釣れすぎちゃったら、食べきれないよね~?」
「あなた、そんなに釣れたことないでしょ~?」
「あるわ!!見てろよ~!」
「リーダー、頑張って!!」
3人は早速仲良さ気に、大野丸で出掛けて行った。
テントの中には、ニノと二人…
空気式のベッドの上だから快適だ。
「凭れていいよ…」
「んふっ…優しいね、潤くん…」
「えっ?そりゃあ、まあね~…」
ニノに言われて照れる俺…
相葉くんいないけど~…
キスくらいしても平気だよね?
「船酔い…どう?」
「ん…大丈夫だよ…少し寝たいかも…」
そう言って目を閉じたニノ…
いつ見ても、綺麗な顔…
綺麗な輪郭…これが好きだったんだよね~。
実は…Jr.の頃から。
あの頃は、翔くんのことしか見えなかったから、
ニノとこうなることなんて、
夢にも思ってなかった…
花のようなその唇に、そっと、
触れるか触れないかのキスを落としても、
ニノはもう、夢の中だった…