第7章 MJの憂鬱
【 翔side 】
すげ~真剣な顔して、大野丸を操縦する智。
『嵐の命を預かるんだから、
俺、いつも以上にちゃんとやるよ!』
夕べ、そう言っていた。
どうして今回、智がこんなに頑張ったのか。
それは…
あの3人には言わないでって言ってたけど、
お礼がしたいって……
番組内の企画とはいえ、船舶免許を取ることになった智…
資格とかに今まで縁がなかったし、
ましてや、勉強を頑張ったことなんか、
未だかつてなかったんだ。
だから、参考書を開いただけで、
始めのうちは嫌悪感だって…
一所懸命読んでても、ちっとも頭に入って来ないって…
そう嘆いていた。
『受からなかったら、どうしよう』
その不安に、俺は精一杯寄り添った。
励ましたり、一緒に問題集を解いたり。
時には、『翔ちゃんには俺の気持ちは分からないよ!!』なんていじけられたり…
そんな彼を、俺とは違ったアプローチで励ましていたのがニノであり、相葉くんであり、松潤だった。
智の好きなケーキを差し入れてくれたり、
智の出す問題が正解できなくて、逆に智に自信をつけてくれたり……
『頑張れ』の言葉じゃなくて、
上手に智の気持ちを持ち上げてくれていた。
そんな彼らには、俺も感謝しかない…
智は、
『合格できたのはみんなのお陰だから、
いつか絶対、みんなを大野丸に乗せたい』
そう言っていた。
で、今回の企画を考えた。
智と相談して、
松潤の誕生日……
大野丸でどこかに行けないか?と……
そんなこんなで、
今まで綿密に計画し準備してきた、
この『無人島キャンプ』
やっと決行できるんだと思うと、
感慨もひとしおだった。
舵をきる智の横顔に、
何だか俺、泣きそうだったよ…