第7章 MJの憂鬱
眠っている間に、飛行機は着陸態勢に入っていた。
「もう、着いたんだ…」
見ると、他のみんなも寝ていた。
みんな疲れてるんだな~…
たった二日の休みで、こんな遠くまで…
ニノなんか、ゲームでもしてのんびりしていたいだろうに…
4人に感謝だな…ほんとに。
空港から『大野丸』が待っている港までは、
タクシーで1時間。
前もって予約しておいた大型タクシーに乗って、
俺たちは港を目指した。
タクシーの中では、俺たちは寝たふりをして、
それぞれがキャップを目深に被っていたので、
5人連れの観光客が『嵐』だとは、
運転手は分からなかったみたいだ。
「お兄さんたち、どっから来たの~?」とか
「平日にキャンプ何て、イイよね~?
大学は休みなの~??」
何て聞いてきたりして…
大学生は、流石に言い過ぎだろう~(^^;
と思ったら、
「9月いっぱい夏休みなんです!」
ってニノが…
全く~…(^-^;まあ、いっか♪
港に着くと、大野丸が待っていた。
「この間のロケ終わりに、バッチリ点検してもらってあるから、完璧だよ!」
翔くんが、待っていてくれた島のスタッフらしき人と話をしている。
その真剣な横顔は、恋人でもない俺でも、
ちょっとほれぼれするカッコ良さだ。
「よし、行こうか!」
「翔ちゃん、荷物は~?」
相葉くんの質問に、
「必要なものは全て、もう島の方に行ってるんだ。
後は俺たちが行けばいいだけ…」
「流石、翔さん!!」
感心しているニノに、翔くんの隣の大野さんの方がドヤ顔…
あなたを褒めたんじゃないんだけどね(^^;
こうして、大野さんの『しゅっぱ~つ!』
の合図で、俺たち5人を乗せた大野丸は、
ゆっくり動き出した。
「リーダー、安全運転でお願いね~?」
俺が言うと、大野さんは、
カッコ良く、俺に向かって親指を立てて見せた。