第7章 MJの憂鬱
「夕べは相変わらず、仲良くしたの?」
大野さんが、上目遣いに俺を見ながら笑った。
なんだよ?その下卑た笑いは…(-_-メ)
「いや…夕べは…」
言いかけて止めた。
だってさ…
なんでいちいちこの人に、俺たちの夜の方まで報告しなきゃいけないんだよ…
そんな義務、なくね~??
「…別に、大野さんが期待してるようなことは
何もないよ…」
プイッと視線を反らせると、
「松潤の誕生日さ、忘れられない日にしようね❤」
大野さんは、そうにっこりした。
屈託のない、子どもみたいなその笑顔に、
俺は、彼に少し邪険に当たってしまったことを後悔した。
考えてみたら、俺のため…何だよな…
滅多にやる気出さない、
まあ、出してんのかもしれないけど、そう見えない彼が…
こんなに頑張ってるんだもん…
有り難いことなんだよな…きっと。
「大野さん…」
「ん??何~?」
「ありがとね」
「………」
俺をじっと見つめたまま固まった大野さん。
「なに??」
「いや、何で急にそんな、お礼なんか言ったのかな?って思って…」
改めて説明するのも気恥ずかしくて、
「別に…理由なんかないよ…」
そう言って目を反らせた。
そんな俺を、相変わらず大野さんは、
優しい眼差しで見つめていること…
分かっていたけど、
気付かない振りをして目を閉じた。
収録は翔くんが絶好調で、
楽しく終わった。
メンバーの様子を見ながら、
ちょっとした言葉も拾ってくれたり、
ニノとの掛け合いも昔から変わらず絶妙で…
黙っている大野さんにも、ちゃんといいパスを出して、受け取った側の大野さんも、
きっちり笑いを取る。
流石だな。
翔くん…
勿論、他みんなも。
この5人が集まれたことって、
ある意味、奇跡だよな…