第6章 甘い夜のための刺激的なスパイス
「あっ、っと~」
慌ててリモコンでテレビを消した翔ちゃん。
真っ黒になった画面には、
突っ立った俺たち二人が映っているだけ……
……なんだよ、これ…(# ̄З ̄)
普段はあんまりテレビとか観ない俺は、
自分たちの番組でさえも、内容をどんなふうに告知しているのか知らない…
だから、当然翔ちゃんの番組も
ノーチェックな訳で。
今、翔ちゃんが消すほんの一瞬、
あれは、タッキー??…だよな?
二人がキスする直前の映像だ…
………分かった!!
翔ちゃんはこれを俺に見せたくなかったから、
早くエッチしたいなんて言って、俺を誘ったんだ。
はい!!確定~///
「それ、貸して…」
「なんで?もう寝るのに~?」
「いいから!貸して…」
「なになに?どうしたの?そんな顔して~?」
「いいから!!リモコン…はい!!」
怒った顔して手を出し続けると、
翔ちゃんは諦めたのか、溜息を吐きながら、
俺の手にリモコンを手渡した。
電源をONにすると、真っ黒だった画面に
翔ちゃんの麗しいアップが写し出された。
……ホントいつ見ても、カッコいい……
おっと!!
今はこんな事言ってる場合じゃなかった。
黙ってソファーに腰を下ろした俺に、
「俺は寝よっかなぁ〜?明日早いし…」
「翔ちゃん!ここに来て!」
逃がす訳にはいかないよ?
いつになく強い口調の…
なんなら、怒ってます的な空気も全面に押し出しつつ、
俺は翔ちゃんを手招いた。
…………観念したらしい彼が、
渋々俺の隣に座った。
画面では、タッキー派後輩の一番手として、うちの相葉ちゃんがコメント。
それに対して、
「それはズルいよ〜!」
とクレームを申し立てる翔ちゃん……
会場は笑いに包まれた。
まあ、こんなの、正直、どうでもいい……