第5章 こうなる運命
「あのまま、翔くんにしがみ付いていたら、俺は翔くんの嫌いな人になってしまってたよ...
離婚するとき『もう一緒の空間にいたくない』みたいな...あんな感じ?」
「そんなこと///」
「ふふふっ...まあ、近いでしょ?実際...
そしたら、嵐だって、どうなってたか分からないよね?
離婚したい夫婦が、一緒にいいものを作れるわけないもんね〜...」
そう笑った松潤は、何の迷いも曇りもない、
爽やかで幸せそうな笑顔だった。
ずっと、酷いことをしたって、
最低だ...って、そう思っていたけど。
何だか、胸のつかえが取れた、
そんな気がした。
喉にずっと刺さっていたほんの小さな棘が、
すっと抜けた...そんな感じだった...
何よりも。
3人が本当に幸せそうで、仲良さそうで、
俺はそれだけで嬉しくて、幸せだった。
3人のわちゃわちゃしたやり取りを、
酒の肴に、ビールを飲んでいると、ぽけっとの携帯が震えた。
「あ、大野さんじゃない?」
俺が出ようとすると、それを奪ってニノが出てしまった。
「もしもし、大野さん~?
うん...そう...一緒にいるよ...あ、そうそう...ふたりで...俺の部屋...何って...飲んでるんだけど~?」
どうやらニノは、智に俺と二人だって嘘を付いているらしく。
ニノは面白がって、唇に人差し指を当ててから、電話をスピーカーにした。
相葉くんも松潤もニヤニヤしている。
騙されている智くんが、少しだけ可哀想だったけど。
ちょっと、彼が何て言うのか、知りたくなったし...
ニノ以外が、じっと押し黙って気配を消した部屋に、智の声が響いてきた。