第5章 こうなる運命
「あのさ。もしかしてだけどさ...
ふたりって、付き合ってる??」
......驚いて言葉が出ない相葉くんは、
それだけでその質問を肯定してしまっていることに気付かない...
じっと相葉くんを見ていた潤くんは、
その視線を俺に向けて、
「いつから?」
って聞いてきた。
......とぼけるのは...やっぱ...
不誠実、だよな...
「1か月前位、かな...?」
......潤くんが俺を見てる。
大きな、黒目勝ちの目...
長い睫毛の下で、その目は、淋し気に揺れていた。
......潤...くん...
「そっか、そうなんだ...なんだぁ...」
俺から目を反らせて、笑いながらそう言ったけど。
俺たちから反らされた目。
何だか儚げにさえ見える肩。
潤くんって、ああ見えて実はすごい淋しがり屋なんだ。
俺たち5人の中では、多分一番...
だから飲み会に行くと帰りたがらないし、
自分が出ていない舞台の打ち上げにも、誘われたら行っちゃう...人が、好きなんだ。
上目遣いで、困った顔して俺を見てる相葉くん。
「さ~て、お邪魔虫は、退散しよっかな~...」
そう言いながら鞄を肩にかけた潤くんに、
俺は思わず、
「一緒に、行こうよ...」
「えっ??」
訳が分からないって顔をする潤くん。
雅紀は、表情を変えずにじっと俺を見ている。
言葉にしてみて、分かった。
俺、潤くんのこと、一人にできない...
したくない...
だって、
潤くんのこと...好き、
...好きだから。