第5章 こうなる運命
【 ニノside 】
何でこうなったのか...?
絶対ないって...
翔ちゃんと関係を持って、自分が男もいけるんだって気付いたけど、だったら他の人でもいいのか??
そう考えてみたけど。
応えはNO...翔ちゃんしかダメだって。
誰でもいける訳じゃないって、そう思っていたのに。
何で俺、一番ないって思ってた人に、
こんなに簡単に身を任せてるんだろう...?
雅紀だけはないって。そう思ってた。
だってさ、兄弟みたいなもんだよ~?
兄弟にそんな気になる訳ないじゃん...
雅紀が仕事のことで落ち込んでて、
見てられなくって...
翔ちゃんに『話聞いてやって』って。
そう言ったけど...
その役は俺じゃない、俺だけはない...
そう勝手に決めつけてたんだ。
......今思うと、何でだろう?
何で『ない』って、そう思ってたんだろう...
だって、雅紀はこんなに優しくて、熱くて、
俺の気持ちごと、全部を包んでくれるのに...
雅紀はそう言う人だって、勿論分かってたよ。
誰より優しくて、
そして何よりも、俺のことを一番分かってくれてる...
雅紀がくれる甘い刺激に、俺はもういちいち反応して、すでにヤバい状態で...
...分かったんだ。
雅紀とこうならなかったのも、
今こうしているのも、
全ては運命...
こうなる運命だったんだ...
だから、どんなに逆らっても、抗っても、
ここにたどり着くって、決まってたんだ...
......そう思う。
「...雅紀...好きだよ...」
初めて彼に向けて言ったホントの気持ち...
雅紀は顔をクシャクシャにして『俺も』って、
そう言った。
目尻から、大粒の涙が零れ落ちた。