第5章 こうなる運命
「え~!?一緒に入るんかよ?ヤだよ~!!」
「いいじゃん別に。昔はよく一緒に入ってたじゃん!ほら、脱がしてやるから...」
このままほっとけば、相葉くんに身ぐるみ剥がされそうなので、仕方なく自分で濡れたシャツを脱いだ。
すっかり冷えきった肌は、自分でもビックリするほどに冷たくて、熱いシャワーが刺さるようだ。
「あっちっ///」
風呂場の床でバタバタする雅紀。
「ちょっとぉ〜、ガキかよ!」
すると、滑ってバランスを崩した雅紀が転びそうになった。
「わあっ!」
「危ない!」
慌てて伸ばした俺の手を雅紀が掴んだけど、結局ふたりで床に倒れ込んだ。
「いってぇ〜///何やってんだ..」
「......」
「えっ!?..な、なに?」
至近距離で俺を見つめてた雅紀が、急に顔を近付けてきて...
えっ?
なにこれ?
不意に。
なんの前触れも予告もなく許可もとらず、
押し付けられた唇に、
俺の思考は完全に停止した。
重ねられた唇が熱く震えてる。
ふざけてて、遊び半分で大胆なこと仕掛けてきてると思ったら、そうじゃなかったんだ....
俺は、雅紀のこと、突き放すこともしないで、
驚いて見開いた眼を、ゆっくりと閉じた。
どうしてそうしたのか、
ホントに分からない...
この瞬間まで、雅紀とこんなことするなんて、
夢にも思ってなかったんだ。
男だって...
恋愛の対象として、意識したことなんかない。
なのに...
俺はキスされて、嫌じゃなくて...
つ~か。
嫌というより...
嬉しかったんだ。
幼馴染みたいに、ガキの頃からずっと一緒にいて、
兄弟よりも一緒の時間を過ごしてきたこの人を...