第5章 こうなる運命
それから暫く、撮影やインタビューがあり、
終ったのは夜の8時近かった。
その後は二人とも仕事もなく、
相葉くんは着替えをしてさっさと帰ろうとしている。
俺はさっきの話が気になっている訳で...
鞄を肩に担いだ相葉くんに、
「あのさ...さっきの話の続きだけど...」
と声を掛けた。
彼は始め、んん?っていう顔をしたけど、すぐに思い出したようで、
「えっと~...じゃあ、一緒にニノん家行く?」
「え..いや、それは悪いから...」
「いいよ!それともリーダー待ってるの~?」
智は今日、映画のプロモーションで居ない。
だから夜は一人だったわけで...
「じゃあ、ちょうどいいじゃん!俺車で来てるから、乗ってけばいいよ...ケーキ買ってくって約束してるから、麻布に寄るけど...♪」
こうして。
俺は相葉くんの車の助手席に乗り、ニノの家に行くことになった。
運転していると、ニノから着信があり、カーナビの画面をタップして相葉くんが電話を繋ぐ。
「はいは~い♪」
『終わったの~?』
「うん、あっ、翔ちゃんも一緒に行くけど、いい?」
『翔ちゃん?翔ちゃんもそこにいるの?』
「うん、いるよ」
Bluetoothだから、ニノの声が車内に響く。
『翔ちゃん??』
「うん...ごめんね、急に...すぐに帰るから...」
『ふふっ、何で?遠慮しなくていいから!昔はよく来てたじゃん!』
「ニノ!!」
『じゃあさ、大したもんないから、何か買ってきてよ~あなただけならどうでもいいけど、翔ちゃん来るならそうもいかないでしょ?』
「なんだよ~!!贔屓すんなよ~」
相葉くんは、そう言って何だか嬉しそうに笑った。