第6章 ご対面。
side菅原。
「文乃の初めては、全部俺な?」
そうだ。
キスだって、セックスだって文乃の初めては全部俺だ。
「怖がらせたくなくて、ずっと優しくしてた。
それでいいと思ってた。」
「でも文乃は優しくするだけじゃ足りなかったみたいだな。」
灰羽の顔から色が消えていく。
どうしたらいいかわからないって顔だ。
でもな、灰羽。
そんなの関係ない。
「なあ、俺はいつから…とかは聞かない。
別に知りたくもないし。
でもさ…
文乃は俺のもんだ。」
そう。
ずっとずっと好きなんだ。
他に目移りする前に俺のものにしたんだ。
「文乃が俺以外を選んだら…
俺、そいつのこと、ころしちゃいそうだ。」
きっと俺は笑っていたのだろう。
なぜかって?
目の前の灰羽の顔が恐怖に染まったから。