第5章 平穏な、日々
私が目覚めたのは、窓の外がオレンジ色になりかけた頃。
隣で眠っていた孝支はすでにおらず、私も布団から抜け出しリビングに向かう。
と、リビングではソファで本を読む孝支がいた。
「おはよ…」
「あ、起きたか。おはよ。」
私が起きたことに気づいた孝支は、読んでいた本を閉じて私に近づく。
「ゆっくり眠れた?」
「ん…」
「良かった。プリン作ってるけど…食べる?」
孝支の問いにYESと答えれば、孝支はキッチンへと歩いていく。
私は…ソファに座ろうか。
孝支が先ほどまで座っていたソファに座ると、スプーンとココットを2つ持って、孝支が戻ってきた。
どうぞ、と渡されたプリンをスプーンですくって食べると控えめな甘さのプリンが口の中でとろけた。
「美味しい…」
「やっと笑った。」
孝支の声にはっと顔をあげれば、孝支が私を見ていた。
「最近行き詰まってるみたいだから…笑顔見れて安心した。
夕飯作るっていったけど、今からデートするべ?」
にぱっと笑った孝支。
気遣ってくれることが素直に嬉しくて私は久しぶりに笑顔を見せた。