第4章 2人きりでのイケナイ遊戯
私達は求めあった。
和室で2ラウンド。
体の力が入らなくなった私を抱えて2階へ登った灰羽くん。
そのままベッドでもう1ラウンド。
ぐったりと体を布団に横たえる。
「体力ないですね?」
「灰羽くんが…底なしなのよ。」
この絶倫。
そう言ってやりたかったが、やめた。
からからの喉を潤したいけれど、あいにく飲み物は1階の冷蔵庫。
体力の消耗をした私には遠い道のりで…
「灰羽くん…のみもの…」
そう訴えたら、灰羽くんはにこやかにこう答えた。
「え?俺の、飲みます?」
…殴ってやろうか。
灰羽くんは飲み物なんて持っていない。
出してきたのは自分のブツ。
3ラウンドもシたのにまだご奉仕しろっていうのね…?
「冗談も大概にしないと握りつぶすわよ。」
流石に今回のは冗談に聞こえなかったらしく灰羽くんは顔を真っ青にすると慌てて階下へ走っていった。
甘やかしすぎたかしら。
なんて思いながらふと正面を見ると閉じられた簾から淡く光が漏れている。
隣の建物、まだ明かりがついてるんだ…
なんて気になってベッドから降りると、腰を庇いながらゆっくり窓際へと歩く。
隙間から覗き、気づいた。
月の光だ。
月の光が海に反射してきらきら光っていた。
バスタオルを体に巻くと、私はそっと窓を開け、きらきらひかる海を見るため外に出た。
息もつけないほど綺麗な空間。
月のきらきらの他に、船が港に帰ってくるライトの光が反射して光る。
「綺麗…」
「ですね。」
いつの間に帰ってきたのだろう。
片手にペットボトルを2本持ち、私の後ろに立つ灰羽くん。
指に引っ掛けられ、ぱさりと床に落ちるバスタオル。
灰羽くんは私を後ろから抱きしめると、頬に唇を落とす。
「温泉、はいりませんか?」
そう、小さく呟いた声。
私はこくりと頷いた。