第4章 2人きりでのイケナイ遊戯
私は先に灰羽くんをお風呂から上がらせたあと、私は髪の毛を洗ったりと内風呂でゆっくりさせてもらった。
私がお風呂を終えた頃には夕飯まであと少しになっていた。
部屋に備え付けられていた浴衣を着て中へと戻ると、灰羽くんは作務衣でごろごろしていた。
私が、寝転んだ灰羽くんの頭の方に座ると、灰羽くんは私の膝に頭を乗せた。
「灰羽くん…重たいよ。」
さらさらの髪の毛をそっと撫でると、灰羽くんは気持ちよさそうに目を細める。
まるで手なづけられた猫だ。
膝の上で撫でられて丸くなる猫。
なすがままの灰羽くん。
目を瞑ってしまったので、いつもはあまり見れない灰羽くんの顔をまじまじと観察する。
いつもはワックスで固められた髪の毛が撫でるたびにさらりと動く。
まつ毛長い。
気づかなかったけれどまつ毛もシルバーなんだ…
唇薄い。
けれどふにふに。
肌綺麗だな。
そっと指でなぞっていくと灰羽くんはくすりと笑う。
「くすぐったいです。」
「ん…ごめん。」
「そんな風にされたら夕飯前に椎名さんのこと食べたくなる。」
私の膝に頭を乗せたまま、灰羽くんはぐっと手を伸ばすと私の頬に触れる。
「だめ。夕飯食べてからよ?」
灰羽くんは残念そうな顔をすると、ぐっと体を起こし、私の唇に触れる。
「じゃあキスだけ。」
こつり、とおでこに自らのおでこを当て甘える灰羽くんが愛おしくて、つい答えてしまう。
すきよ。
灰羽くん、すき。
言えない言葉を唇に乗せて、私は何度も唇を触れ合わせた。