第4章 2人きりでのイケナイ遊戯
夕飯まで時間があるので、私達は一度コンビニに向かうことに。
飲み物が欲しいけれど自販機がなかったので、外に買い出しに出ることにしたのだ。
外に出ることと、夕飯の時間は6時で変更なし、ということをつたえると、私達は手を繋ぎコンビニへ向かった。
隣を見れば顔を綻ばせた灰羽くん。
「そんなに嬉しい?」
そう問えば、綻ばせた顔をそのままに、はいと返事をした。
「だって外で手なんて繋げないから!」
私が独身だったらこんな気を使わなくてもいい。
そんなことわかっている。
灰羽くんを私の我儘に付き合わせてしまっているのが辛い。
「そうね。この旅行が終わるまではずっと手、繋いでて?」
そう言って見上げれば灰羽くんの髪の毛が日の光に照らされきらきら光った。
コンビニで飲み物を買い、宿へと戻る。
夕飯まではまだ2時間近くある。
夕飯の時は連絡を入れてくれるとのことなので、私達は夕飯の前に温泉を堪能することにした。
まずは1階にある内風呂。
ささっと体を流した灰羽くんはすぐにお湯に浸かりに行く。
「椎名さん早くー!」
「ちょっと待って…!」
先に髪の毛を洗っておこうとするけれど灰羽くんに急かされてそれどころじゃない。
髪の毛を結い上げ体だけささっと洗うと、灰羽くんの待つ内風呂へと向かう。
危ないからと差し出された手に捕まり、お湯に体を浸けると日頃の疲れが体から抜けて行くようで、嗚呼…幸せ…
なんて考えていたら、体を引かれ私の体は灰羽くんの足の間に着地した。