第4章 2人きりでのイケナイ遊戯
新幹線に乗り、約45分。
荷物を持ち下車をすると近くのコインロッカーを探し2人の荷物を預ける。
「遅くても1時40分頃には出なきゃだから3時間半…ってとこかしら。」
時計を見ながらそう言うと灰羽くんは私の手を取りくいと引っ張った。
「じゃあその時間めちゃくちゃ楽しみましょう!」
一瞬手を繋がれたことに戸惑ったけれど…
いつもみたいに私たちのことを知ってる人はいない。
それを思い出し、私はきゅっと灰羽くんの手を握り返した。
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私達は駅前の商店街を散策した。
温泉や海が近いからか温泉饅頭や干物などのお店が多い。
その中にも蜂蜜のお店やパン屋さんがちょこちょこ立ち並び、ものすごく賑わっている。
おまんじゅうは買って行くとして…
せっかく熱海に来たんだし…と海鮮の食べれそうなお店を見つけて入店。
灰羽くんはよく食べるね…
さっき駅弁を食べたばかりなのに海鮮丼を注文。
私はお刺身の盛り合わせと、たまの旅行だし…と伊豆限定のビールを。
お刺身の盛り合わせはマグロが美味しくてついつい追加で頼んでしまうほど。
灰羽くんの海鮮丼はしらすや海老、サーモン、マグロなどをたくさんの魚介が並ぶ豪勢なもの。
お腹空いてたら頼んだのになぁ…なんてちょっと後悔。
お店を出た後はおまんじゅうを各お店1つずつ買い、食べ比べしようと約束をした。
時間はあっという間。
気づけばもう1時40分になりそうで、慌てて電車に飛び乗る。
2人での旅行が楽しすぎて時間を忘れそう。
ずっとこの時間が続けばいい。
そう思ってしまった。