第4章 2人きりでのイケナイ遊戯
土曜朝。
いつもの時間に家を出て向かったのは東京駅。
チェックインは15時だから途中で降りてゆっくりするのもいいかな、なんて考える。
孝支には出張だと伝えてきたから今は誤魔化すためにスーツを着ている。
東京駅で着替えようか。そう考えていれば電車は東京駅のホームに滑り込む。
ホームに降りると休日出勤のスーツの人達、家族連れがどんどんホームから流れていく。
私もその流れに乗り、進んでいく。
出勤時のラッシュは嫌い。
だけど電車を降りた後、何も言われずともエスカレーターまで綺麗な列を作ることのできる人間性は嫌いじゃない。
流れていくように列に乗り、1階へとたどり着くと朝食を食べれそうなお店を探すがめぼしいところが見つからない。
諦めて地下1階に降りればたくさんの商業施設が溢れかえっていた。
お店を探しながら近くのお手洗いでスーツから普段着に着替えるのを忘れない。
商業施設を散策し、人をかき分けるようにして見つけた、リゾットの専門店。
朝ごはんにいいかな?と思い中に入り、カルボナーラ風のリゾットを注文。
あっさりして食べやすいリゾットを食べていれば入る着信。
慌てて残り数口を食べて外に出ると電話に出る。
話をしながら待ち合わせの鈴の前に走る。
鈴の前には、先に到着していたらしい''彼”が小さな手荷物を持ち、スマホに耳を傾けていた。
「灰羽くん、後ろ!」
そう呼びかければ、彼…灰羽くんは後ろにいる私の方を向くとにかり、笑った。