第3章 夏
「おはよ…ございますっ…」
肩で息をしながらタイムカードを押す灰羽くん。
いつものワイシャツネクタイのかっちりした感じはなく、Tシャツにチノパン、おしゃれな7部袖のジャケットにスニーカーとラフな格好。
「おはよ。ギリギリね。」
「昨日…友達と飲み行ってて…起きたらいつも家出る時間過ぎてて…慌てて準備してきました…」
まあ、遅刻じゃないだけマシか。
「ご飯買ってきた?前言ったけどお昼、外出れないからね?」
そう言うと灰羽くんはああっと声を漏らし床にへたり込んだ。
「昼飯…朝飯…」
あからさまに落ち込む灰羽くんに近寄ると、私は床に膝をついて灰羽くんの頭を撫でた。
「タイムカードそのままでいいからご飯買ってきな?どうせ就業時間まで持たないでしょう?」
「いいんすか?」
「そのくらいいいわよ?」
だってお昼、私が食べてる姿を見てお腹鳴らされたら私がご飯食べづらいもの。
鞄を持ってご飯を買いに行こうとする灰羽くん。
私はその背中に近寄ると灰羽くんをぎゅっと抱きしめた。
「っ…?椎名…さん?」
「今日は一日中抱いてくれるんでしょう?
準備はしてきたの?」
ふわりと香る汗の香り。
背中から回した手をお腹に這わせると、そっとTシャツの裾をまくりお腹を撫でる。
「っ…財布に2枚…用意してます…」
お腹を撫でている手を下へと移動させベルトを緩めると、そっと下着の上から灰羽くんのモノを指でなぞった。
「2回で灰羽くんは…満足できるの?」
何回か撫で上げると柔らかかったモノが少しずつ硬度を増していく。
「満足…できないっ…です…」
「じゃあ…」
今までチノパンの中で動かしていた手を引き抜くと、私は灰羽くんから離れる。
状況が飲み込めない灰羽くんは私の方をじっと見つめた。
「自分が満足できる量、買ってきて?
言ってる意味、わかるよね?」
「っ…はいっ!」
勢いよく返事をした灰羽くんはそのままの勢いで会社の外へと買い物に行ってしまった。
勢いで言ったけれど…
業務用とか買ってきたらどうしよう…
さすがにそんなに相手できない…
そんなことを考えつつ、私は席に戻ると残りの朝食にかぶりついたのであった。