第15章 離婚、する
孝支は3月中旬までこちらにいるとのことだったけれど、会社の手続きのことを考え1月末には役所へ行こうと話をした。
そう決まったらやらなければいけないことは沢山で、あっという間に日付が過ぎて行った。
孝支が出て行ってしまう今の家。
1人では広すぎるこの家を、私は出ることに決めた。
自分で決めたことだとはいえ、孝支との思い出が詰まったこの家に住み続けるのは無理だったから。
有給を取得し、その日に新しい家を見つけた。
新しい家は3月1日からの契約、そして元の家は3月末の契約にし、自分で運べる荷物は少しずつ運び出した。
少しずつ減っていく荷物。
増えていくダンボール。
そのダンボールも少しずつ減っていく。
ぶるりと震えるような冬は
いつのまにかやんわりと暖かな春へと移り変わっていた。