第2章 罪悪感
黒尾に貰った住所をカーナビに入れ、車を走らせる。
途中から昨日通った道と同じ道を車が走り出し、忘れようとしていた昨日の情事を思い出してしまう。
それと、免許証を出した時の灰羽くんのショックを受けた顔も。
私のせいだな…
きっと私のせいで灰羽くんは仕事に来なかった。
そんなことわかっている。
だから今日、ちゃんと話をしよう。
会って、納得いくまで話をしよう。
カーナビの音声ガイドが右折をアナウンスしたのを聞いた私は音声通りにハンドルを右に切った。
ーーーーーー
灰羽くんの家に着いた。
さすがに駐車場はなく、申し訳ないがご近所にあったスーパーの駐車場に停めさせていただく。
買い物するから許してっ!
開店したてのスーパーで少し買い物をした私は改めて灰羽くんの家へと向かった。
1階のポストを探ると見つかる家の鍵。
それを出してエレベーターに乗り、目指すは8階。
エレベーターから降りて向かったのは1番奥の18号室。
私はドアの目の前に立つとインターフォンを押した。
1回
2回
出ない。
ドアノブを回せば…
開いた。
鍵かかってないじゃない。
小さな声で灰羽くんを呼ぶが出て来る気配はない。
「お邪魔します。」
小さな声でぽそり、呟くと、私はドアの隙間から室内に入りそっとドアを閉じた。