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秘密のあいらぶ・ゆー【HQ】

第14章  単身赴任、残る。





…とまあこんな訳で私は今までの仕事を続けることに決まった。
黒尾から提案されてから数日後、私は今回の件について書類を作り、孝支に提出。
その案について採用が決まった。

引越し前後の1ヶ月は有給を取得。
そして落ち着いた頃に仕事を再開、という形に職場の方でも決まった。






「これから楽しみだな、文乃?」

東北自動車道を北上しながら孝支が私に笑う。




うん、楽しみよ?

これからどんな未来が待っているのかしら。




「そうね、楽しみ。」



ーーーーーー



引越しをしてしばらく経った。
身の回りも落ち着いてきた。

孝支も新しい職場でなんとかやっているようだ。
私も新しい環境にあたふたすることもあるけれど、少しずつ馴染んできている。
仕事の方も、現場に入るような仕事はできないけれど、それでも毎日充実している。


…東京を離れたことにより、孝支の嫉妬も落ち着いてきたようだ。

自分の隣にいてくれる。

それが気持ちを軟化させているみたい。


後もう1つ。
私がピルを飲まなくなったことも、気持ちがおちついた理由になるのかもしれない。

ノマドワーカーの話をした時、孝支に切り出されたこと。
それが子供のことだった。

「俺さ、文乃との子供が欲しい。
まだ前例がないって言ってもこれから自宅で勤務することが選べるようになるんべ?
だったら妊娠しても、出産しても文乃は今の仕事を続けられる。
仕事がしたいから子供はまだって言ってたけど…
だめ…か?」

単身赴任を告げた際の孝支のことを思い出すと、首を横には触れなかった。




そうして私達は1度崩してしまった夫婦関係の修復を少しずつ行なっていった。

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