第11章 視感。
side赤葦。
達して体の力の抜けた椎名さんを灰羽が抱きしめる。
この2人は”セックスフレンド”だけの関係じゃない。
そう改めて感じた。
まあ、感じたくはなかったけれど…
「やっべ…外れてないよな…」
行為の余韻に浸っていた灰羽が動き始める。
激しい行為で外れていないかと避妊具の心配をする灰羽。
「灰羽、椎名さん支えるよ。」
俺は立ち上がりながら灰羽に声をかける。
その声に反応した灰羽は、ぐったりとした椎名さんの身体を俺に預けた。
「椎名さん、気持ちよかったですか?」
そう耳元で囁くと、椎名さんの身体がふるり、震える。
「もっと…欲しいですか?」
身体を持ち上げながら聞けば、椎名さんは小さく喘ぎながら首を横にふるふる降った。
「も、むり…」
そう呟いた椎名さんのナカから肉棒が抜けたらしい。
灰羽が長く息を吐き、ベッドに倒れこむ。
身体の力が抜け切った椎名さんの身体を俺は灰羽の横にそっと寝かせた。
本来ならもっと椎名さんの恥ずかしがる顔が見たかったけれど…
まあ、しょうがないか。
体力を使い切ったらしい2人はうつらうつらしている。
時計を見れば丑三つ時もとうに過ぎた。
明日は休みだけれど、旦那に嘘をついた椎名さんは早めに帰宅するっていってたな…
始発まではあと2時間。
2人にベッドを使ってもらい、俺はソファに横になる。
念のためにアラームをセットすると、俺は夢の世界へと旅立った。