第11章 視感。
私達3人はそのまま近くのホテルに入った。
念のため3人入室OKの場所を見つけての入室にはなったけど…
入った後は裏工作のためのメッセージアプリの作成だったり、電話だったり…
終電の時間を超えた時間にやっとその作業は終わった。
連絡が終わったことを伝えると、2人の雑談が止まった。
ぎらり、と光る4つの瞳。
ぞくりと痺れるような感覚に下着が濡れた。
赤葦くんが椅子に、灰羽くんが私の側に移動する。
「ソファにします?ベッドにします?」
そう聞くのは灰羽くん。
そんな選択肢いらないんだけどな…
「ベッドで…」
仕方なく答えると灰羽くんはひょいと私を横抱きにしベッドに進み、シーツの綺麗に敷かれたベッドにお尻から降ろされる。
ベッドのスプリングが跳ねる感触が伝わる。
「いい、ですか?」
しゅるりとほどけるネクタイ。
はだけるワイシャツ。
「だめ…って言っても、するんでしょ…?」
そう問えば灰羽くんの口端が上がる。
「そうそう、ここ入ってから赤葦さんと決めたんですが……」
じっとしててくださいね?
そう言われたと同時、私の目元を何かが覆う。
「目隠しプレイ…どうですか?」
どうですかって私OK出してないけど!
抗議しようと唇を開けば誰かの唇が当たり、舌が差し込まれる。
この感覚は灰羽くん。
舌がいつもの動き。
見えない分、感覚という感覚が敏感になっている。
舌は誰なのか感じ取ろうとして先の方まで敏感。
耳もいつもより音を聞こうとして、唇を重ねる音や衣擦れの音、果てはこくりと喉が動く音まで聞き取った。
唇が離れた頃には私の腰は力が入らず、私はぺたりとベッドに座っていた。
上半身は腕で支えないと起こしていられない。
誰かが背筋を指でなぞる。
それだけで私は小さく喘ぎながら身体を震わせる。
どちらかがくすりと笑った声が
部屋に響いた。