第1章 はじまり
真っ暗な会社から抜け出した私達。
私の車に乗り込むと、向かった先はラブホテル。
ホテル街の近くのパーキングに車を止め、荷物を持ち、歩く。
できるだけシンプルな外観のホテルに入れば、灰羽くんが後ろから付いてきた。
勝手に自分好みの部屋を選び、お金を払う。
全額私が出したことに抗議したが、絶対払わせない。
それが唯一私に残った歳上の意地、だった。
部屋に入ると、後から部屋に入ってきた灰羽くんが問う。
「さっきの…
一晩ってどういうことっすか。」
硬い声に後ろを振り返る。
「俺、椎名さんが好きなんです!
一晩なんて嫌です!」
「私、貴方には言ってない秘密がある。」
無理やり履いていた水を吸ったパンプスを脱ぎ捨て、ゆっくり、灰羽くんの前まで歩く。
「ごめんね。」
ぽそり、そう呟くと私はその場で服を脱いだ。
こくりと息を飲む声が聞こえる。
全てを脱ぎ捨て、裸になる私。
「好きに抱いて?灰羽くんの好きなように。」
体が引き寄せられ、唇が重なる。
噛みつくようなキスに身体が熱くなっていく。
唇を犯しながら灰羽くんの手は早くも腰のラインをなぞる。
「はい…ばく…」
腰をなぞる灰羽くんの手に自身の手を添える。
そして体の中心…背中のくぼんだラインに導いた。
「ここ…」
「気持ちいいんすか?」
そう私に聞きながら灰羽くんは絶妙なタッチで腰の辺りを指でなぞる。
ぞわぞわと快感が体を駆け抜け、体の力が抜けた。
力の抜けた私を、灰羽くんはベッドに放る。
ワイシャツを脱ぎ捨て私に近づくと灰羽くんは、私の腰を高く上げ、私が先ほど灰羽くんの手を導いた場所に舌を這わせた。
「っ!あっ!やあっ!」
「初っ端から弱点聞いたら攻めずにはいられないっすよ。」
ただ腰を舐められているだけ。
それだけなのに私の蜜壷はすでに濡れそぼっていた。