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【イケメン戦国】恋花謳〜コイハナウタ〜

第2章 連なる愛の謳【家康・政宗】


「……へっ…??!」


「だから、あんたが好きだって言ってんの。」




俺は昨日、
堪らず美蘭に思いを伝えてしまった。


すこし勢いに任せたけど後悔はしてない。


だってあの娘はそうでもしなきゃ、


俺のことを男だと見てくれないだろうから。




突然何言ってるの?って


真っ赤な顔で、潤んだ瞳で俺を見上げてきたあの顔…


(…くそ…。可愛かったな…。)


家康は、溜息をついた。










「…具合でも悪いのか?美蘭。」


大広間での朝餉の席。


政宗が作った美蘭の好物ばかり並んだ膳を前に、箸が進まない美蘭の様子を心配した秀吉が声をかけた。


「え?…ううん、大丈夫。ちょっとぼーっとしちゃった。ごめんなさい。」


静かに答えた美蘭の様子がまだ気にかかる秀吉は、美蘭のおでこに手を当てた。


「ぼーっとする?怠いなら熱でもあるかもしれないぞ?」





「体調なら俺が診ますよ、秀吉さん。」


「ああ、そのほうが確実だな。家康、頼む。」


「…い…えやす?!」


秀吉の世話焼きを無言で受け入れていた美蘭が、


家康の声を聞いた途端、身を固めたのを、武将たちは見逃さなかった。





家康は、秀吉と入れ替わりに美蘭の隣に膝をつくと、美蘭の顔をまっすぐ見つめながら、おでこに手を当てた。


心なしか顔を赤くしたように見えた美蘭。


「…ん?今…熱、上がった?」


家康の、何か含みのあるようなその一言に、美蘭は、明らかに困ったような様子。


「……っ!」


家康は、そんな美蘭の様子には触れることなく、今度は喉元を指でさぐり、触診した。


「熱もないし、喉も腫れてない。大丈夫。」


「………ありがとう…。」


「ちゃんと朝餉、食べて。」


「うん…。」






「あの2人…何かあったようだな。」


白飯と全てのおかずと味噌汁、全部を混ぜた物をすすりながら、光秀が政宗に言った。


「またその喰い方…止めろって言ってんだろうが。」


政宗は質問に答えず、光秀の食事の仕方に苦言を呈した。


「フ…こっちはご機嫌斜めか。」


光秀は含み笑いをして、また器に口をつけた。
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