第9章 恋知りの謳【謙信】湯治編 〜月夜の宴〜
「だが2度とそのような真似はするなよ。」
謙信は、一度抱きしめていた身体を離すと、美蘭の頬を撫でながら、言った。
「信玄様は、見るだけで何もしないと約束してくれましたから。」
美蘭は謙信を安心させようと、そう言ったのだが、
「駄目だ!そんな約束…麗しいお前の肌を見たらマトモな男が耐えられる訳がない!………??…信玄は…。」
自分の魅力をわかっていない美蘭の浅はかな発言に、思わず声を上げた謙信だったが
「約束を守って下さいましたよ?」
「……そう…か。」
信玄が美蘭に本気だったのだということを思い知らされた。
美蘭の謙信への気持ち
謙信の美蘭への気持ち
そして
自分が背負っている病
そうしたもの全てを、理解した上で、
一時の欲に流されてしまえば
美蘭を傷つけてしまうとわかっているから
耐えたのに違いない。
「……彼奴め…。」
「失望…しましたか…?」
謙信が黙り込んだのは、
信玄に自ら裸を見せた自分に嫌悪したからではないだろうかと
美蘭は、
震える声で、やっとの思いで問いかけた。
「そんな訳があるわけなかろうが…」
こんなに愛しているのだから、と
「…っ…ん…っ」
不安に震える唇に、口付けた。
隣の部屋からは、
信玄、幸村、佐助、3人が楽しく酒盛りしている声が聞こえる。
褥に美蘭を置いて、あの酒盛りの輪に戻らねばならぬというのに、美蘭が愛し過ぎて離れられない。
「チュ…ん…っチュ…チュ…っ」
口付けが、止められない。
今すぐ抱きたいという欲に身体中が支配された謙信は、
「は…美蘭…声を…耐えろよ?」
そう言うと、帯を緩めず、浴衣の合わせを大きく左右に開き、白い乳房を剥き出しにすると、すぐにむしゃぶりついた。
「あ…〜〜〜っ…!!!」
チュウチュウと激しく乳首を吸ったり、舌で転がしながら、
浴衣の足の合わせを捲り上げて行く。
白く美しい太腿の付け根に手を這わせると、
そこはもう、グッショリと潤っていた。