第1章 vol.1 告白
銀「ガキはガキらしく泣きたい時は泣けよ。
って優しい言葉をかけてやりてーが
ここから少し、俺の話に耳傾けてくんない?」
「…なんでしょーか…?」
銀「悔しいとか、情けないとか、
今のお前にゃいろんな感情あるだろーがよ。
泣いてるお前見てて思ったのは
心のどっか奥深くにある「お前自身」が
もう「自分自身」を認めて欲しいんじゃねーかって。」
自分自身を認めてほしい?私に?
銀「今の話聞くだけだと、大方自分を卑下するような
無意識のうちにそんな否定的な言葉を
心の中で呟いてねーか?」
本当に無意識だった
自分に自信がないばっかりに
どこか心の奥で
自分自身を罵っていたのだ
銀「そんな言葉とももう今日で卒業な。
毎回毎回自分を責めて 傷つけて ムチ打って
苦しかっただろ?
お前が勇気をなかなか出せない原因は
その言葉にあったってことだな
そりゃ自信なくなるっての。
お前なんかが お前のくせに お前の分際でー…
こんなの毎日言われ続けたら頭痛くなるわ」
ぽかんと先生の話を聞いている
銀「それと…お前の好きな奴は
"お前ごときが俺に惚れるなんざおこがましい"
なんて思う最低なヤローなのか?」
「え……」
銀「アイツんな腐った根性してねーだろ。
いい奴だよアイツは。お前が一番よく知ってんだろ?
お前が勇気を出せないのを
おこがましいなんて
遠回しにアイツのせいみたいな言い方すんのやめろ
な?」
先生はまた私の頭をポンポンとなでる
銀「アイツとお前自身をもっと信じてやれよな
んで、お前はもう"お前自身"を許してやってくれ」
また ぶわっと なみだが出た
先生はふう とため息をつきながら笑う
銀「告るならまだ間に合うんじゃねーの?」
先生の視線は窓
校庭には大好きな彼
「ありがとう先生!」
涙を拭うと、私は全速力で走り出した
銀「命短かき 恋せよ乙女 ってか
いいねぇ 青春」
fin.