第2章 -ドライブデート-(花巻貴大)
「ちょっ…ねぇ、貴大…ダメ‼︎ちゃんと前見て‼︎」
「見てるって♪心配しすぎー。」
貴大とイチゴ狩りデートの帰りの車の中…。
キラキラ光る夜景を横目に、高速を飛ばしながら、貴大の手は、右手はハンドルのまま、左手はわたしの太ももにスッと伸ばされた。
たしかに貴大は車の運転うまいけど…
だからって…‼︎
「あ、そっかー。今日ジーパンだったよな。」
イチゴ狩りだから、今日は動きやすいようにジーパンを履いている。
わたしの気持ちを知ってか知らずか、お目当の行為ができない貴大はちょっと拗ねた声で言う。
「ジーパンじゃなかったら、なんなのよー?」
「ん?聞きたい?」
「聞きたくなーい!」
一応聞いたけど、貴大の目的はわかってるもん。
わたしは貴大の手をペチンと叩いて、太ももからどかした。
「いてっ‼︎ひでぇ〜!いーじゃーん♪」
「やーだ。車の中って意外と外から見えてるんだよ?」
「いーじゃん♪見せつけてやろーぜ♪」
貴大は懲りずに左手をわたしの太ももへまた乗せた。
「ちょっ…やっ…」
「可愛い声出すなって♪」
「…っ‼︎貴大⁉︎ダメ‼︎」
貴大は、わたしの太ももを触っていた左手をスルリとジーパンのファスナーへと伸ばし、あっという間におろしたファスナーの隙間から、指先をジーパンの中に滑り込ませ、下着越しにわたしの弱いトコロを目指し始める。
「や…ぁっ…貴大っ…」
「ん〜?気持ちーの?」
「貴大っ‼︎もう‼︎ぁっ…次‼︎降りなきゃ‼︎」
「ちぇ〜っ。」
貴大はいったん手をはなして、何事もなかったかのように運転を続け、高速の出口に向か…っていた。
ううん…ちゃんと出口には向かって、坂道下ったトコで信号が赤になって、ちゃんと止まった。
でも…
…チュ。
止まった瞬間、貴大はシートベルトを外し、わたしに覆いかぶさるようにキスをしてきた。
ピーピー
運転中にシートベルトを外すから、車の警告音が車内に鳴り響く。
「た…貴大…」
「やべ…マジ可愛い。」
「…っ⁉︎貴大っ‼︎青っ‼︎」
「はいはい♪」
わたしはめちゃくちゃ焦っているのに、貴大は悔しいくらい冷静で、すぐにシートベルトをすると車を発車させた。でも、また、左手をわたしの太ももに乗せ、今度はベルトを器用に外し始めた。
「貴大っ⁉︎」